まずはコミュニケーションを

介護の仕事をする人は、高齢者が認知症を発症しないように十分に注意することが必要です。物忘れのような症状が出た場合は、対応の仕方は難しくありません。しかし、不眠や妄想などの症状が出てくると介護が難しくなるので、できる限り予防に努める必要があります。介護職の人ができる一番良い方法は、利用者とのコミュニケーションを活発にすることです。コミュニケーションを活発にすれば、脳の動きが活性化されて、認知症の発症や悪化を防ぐことが可能になります。まめに声をかけたり、話をするようにしましょう。

介護職の人と話すことで利用者の脳は生き生きと働くようになります。一般に年齢を重ねた人は、昔のことをよく話す傾向があります。同じことを話すこともありますが、それを気にしないでしっかり耳を傾ける必要があります。相手が話してくれたことに対して、自分から質問をしてみるのも良いでしょう。他愛のない質問でも問題ありません。
利用者とのコミュニケーションを活発にするための手段と考えて、利用者の昔話をよく聞いて、必要があれば質問をしてみましょう。話をすることは利用者の寂しさや不安を取り除くことにもつながります。ストレスによっても認知症の発症リスクは高まります。高齢者の寂しさや不安感を会話によって取り除くことができたら、脳に対するストレスも小さくなり、結果として病気の予防につながるでしょう。無口な方も中にはいますが、気にしないで話しかけることが必要です。